目次
MCPサーバーとは?
MCPサーバーは「AIエージェントと外部ツールをつなぐ窓口」です。
AIモデルは、モデル自身が直接外部サービスやデータを操作することはできません。そこで登場するのがMCPサーバーです。AIモデルがこのツールを使いたいと判断すると、そのリクエストをMCPサーバーが受け取ります。サーバーはリクエスト内容に従ってツールを実行し、その結果をAIモデルに返却します。この一連のやり取りを仲介する橋渡し役がMCPサーバーです。
MCPサーバーを使うことで、SlackやGoogle Drive、Github、Notionなど様々な外部ツールから情報を取得したり、操作することができます。
MCPサーバーの仕組み
MCPの正式名称はModel Context Protocolといい、Anthropic がオープンソースとして公開した、「AIアプリと外部データ・ツールを標準的な方法でつなぐためのプロトコル」です。
ここでいう「プロトコル」は、「AIアプリ(ホスト)と、ツール側(MCPサーバー)が、どんな形式で会話するかを決めたルール」だと思ってもらえれば大丈夫です。
このルールに従うことで、AIアプリは
「ファイルを一覧して」
「このURLを開いて内容を要約して」
「GitHubのPR一覧を出して」
といったやってほしいことをMCPサーバーにお願いし、結果を受け取ることができます。
ホストとサーバー
MCPの世界には、大きく2つの役者が登場します。
ホスト
ユーザーが直接触るAIアプリ本体
例:Claude Desktop、Claude Code、Codex、Gemini CLI、Cursor など
ここにMCPサーバーを登録して「このツールも一緒に使っていいよ」と教えるイメージ
MCPサーバー
ファイル、ブラウザ、Slack、GitHub、自社APIなどにアクセスする“道具箱”側
ホストからのリクエストを受けて、実際に外部ツールを呼び出し、その結果を返す
ユーザー → ホスト(AI)に話しかける
→ ホストが「この指示にはこのツールが必要だな」と判断
→ MCPサーバーに「これやっといて」とリクエスト
→ MCPサーバーが実行して結果を返す
→ ホストがその結果をもとに、ユーザーへの回答を組み立てる
という流れで動きます。
ローカルとリモート
MCPサーバーは、どこで動かすかによって性格が変わります。
ローカルMCPサーバー
自分のPCの中で動くサーバー
ローカルファイルの操作など、「そのPCの中だけで完結する処理」に向いている
リモートMCPサーバー
クラウドや社内サーバーなど、ネットワーク越しに動くサーバー
チームで共有したいツールや、社内システムだけでなく、Slack / GitHub / Notion / 各種API などの外部サービス・外部ツールへの窓口として使われることが多い
MCPサーバーが使える主なアプリ
Claude Code
Anthropic社が開発したAIコーディング支援ツール。
コード生成、コード補完、リファクタリング、テスト作成などを対話的にサポート。
こんな人向け
- エンジニア
- コードまわりをAIに任せたい人
Claude Desktop
デスクトップアプリ版の Claude。
チャット機能に特化しており、余計な機能がないため初心者でも迷わず使える。
こんな人向け
- 非エンジニア
- 文章作成やファイル分析がメインの人
Codex
OpenAIが開発したChatGPTなどと同じOpenAIエコシステムで提供される、AIコーディング向けツール。
OpenAIの「Agents SDK」などと連携しやすく、高度な推論能力を持つ。
こんな人向け
- エンジニア
- コードまわりをAIに任せたい人
- OpenAIのAPIやChatGPTを中心に開発している人
Gemini CLI
Googleが開発したGeminiをターミナルから使えるCLI。
Google Cloudや各種Googleサービスとの親和性が高い。
こんな人向け
- エンジニア
- コードまわりをAIに任せたい人
- Google製品中心の開発/業務環境にいる人
Cursor
Anysphereが開発したVisual Studio Code をベースにした AI搭載コードエディタ。
Claudeだけでなく、OpenAIやGoogleのモデルも切り替えて使用することができる。
こんな人向け
- エンジニア
- 非エンジニア
- コードまわりをAIに任せたい人
- 文章作成やファイル分析がメインの人
- ターミナルが苦手な人
MCPサーバーの導入方法
ここからは、実際にAIにMCPサーバーを導入する方法を解説します。
自分の使いたいツールの項目を見て、手順通りに進めてみてください。
Claude Code
コマンドを実行 ターミナルを開き、以下のコマンドを入力してEnterを押します。
claude config
画面の指示に従う 「どのサーバーを追加しますか?」といったメニューが出るので、指示に従って filesystem を選択するか、以下のコマンドで直接起動時に指定します。
claude --mcp-server filesystem
Claude Desktop
PCの以下の場所にある claude_desktop_config.json というファイルを開きます(なければ新規作成してください)。
Mac: ~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json
Windows: C:/Users/yourname/AppData/Roaming/Claudeclaude_desktop_config.json
設定を以下のようなJSON形式で記述します。
{
'mcpServers': {
'filesystem': {
'command': 'npx',
'args': [
'-y',
'@modelcontextprotocol/server-filesystem',
'/Users/あなたのユーザー名/Desktop'
]
}
}
}アプリを再起動すると自動的に設定ファイルが読み込まれ認識するようになります。
Codex
PCの以下の場所にある config.toml というファイルを開きます(なければ新規作成してください)。
Mac: /Users/yourname/.codex/config.toml
Windows: C:/Users/yourname/.codex/config.toml
設定を以下のように記述します。
[mcp_servers.filesystem]
command = 'npx'
args = ['-y', '@modelcontextprotocol/server-filesystem']
CLIを起動すると、自動的に設定ファイルが読み込まれ認識するようになります。
Gemini CLI
ホームディレクトリやプロジェクトフォルダに.gemini/settings.jsonを作成します。
設定を以下のようなJSON形式で記述します。
{
'mcpServers': {
'filesystem': {
'command': 'npx',
'args': [
'-y',
'@modelcontextprotocol/server-filesystem',
'./'
]
}
}
}CLIを起動すると、自動的に設定ファイルが読み込まれ認識するようになります。
Cursor
設定画面を開く 画面右上の「歯車アイコン」をクリックし、メニューから「Tool & MCP」を選びます。
「+ New MCP Server」 ボタンをクリックし、以下の通りに入力します。
{
'mcpServers': {
'filesystem': {
'command': 'npx',
'args': [
'-y',
'@modelcontextprotocol/server-filesystem',
'./'
]
}
}
}ファイルを保存して設定画面に緑色のランプが点けば成功です。
おすすめMCPサーバー
Filesystem MCP
PCの中にあるファイルやフォルダを、AIが直接読み書きができる
使い方
「デスクトップにある『2024年売上.xlsx』を読み込んでグラフにして」
「logsフォルダにあるエラーログを分析して原因を探って」
Playwright MCP
ブラウザの自動操作・UIテスト・検証・スクリーンショット撮影ができる
使い方
「このWebサイトのトップページのスクリーンショットを撮って」
「Webアプリの動作テストをして」
Notion MCP
Notionのページやデータベースを読んだり、新規ページを作成・更新したりできる
使い方
「このプロジェクトの過去仕様を探して要約して」
「今日の打ち合わせメモをNotionに新規ページで保存して」
まとめ
MCPサーバーは、AIエージェントと外部ツールをつないでくれる「橋渡し役」です。
Claude CodeやClaude Desktop、Codex、Gemini CLI、Cursor といったホストにMCPサーバーを登録することで、AIが実際のツールやファイルを扱えるようになります。
まずは、Filesystem MCP や Notion MCP など「いつも使っているツールの読み取り系」から試してみるのがおすすめです。
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